ティラノサウルスなど二足歩行の肉食大型恐竜の前脚が、
非常に小さいのは使う必要のない為退化して小さくなったのではとの見方があった。
体に対しおなかを掻く程度しかできそうないあまりに小さな前脚では狩をしている時、獲物を押さえつけることもできないし、転んだら起き上がることもできないのではまた大怪我をしてしまうのではという心配もある。
最近のCTによる解析でT REXの嗅脳が大きく嗅覚が発達していたのではとのことで、ハンターではなく死肉をあさっていたのではということも言われてきた。恐竜博2011ではこれらの肉食恐竜達の短い前脚がどのように使われていたかにつき面白い見解をだしている。
恐竜たちの地球 (富田幸光著 岩波新書)によると、狩をするときに体と頭が大きくなるとともに発達していった丈夫なあごや鋭い歯をもっぱら使うようになり、前肢を使うことはほとんどなくなり退化してしだいに短くなっていったという考えが以前より言われているとのことであった。
カルノタウルス類やミニT-Rexと言われるラプトレックスはT-Rex(7千万年前)より古い時代(1億数千年前)から生息しているがさらに前肢が短いという特徴があるということがわかってきた。
ラプトレックス
化石は中国の化石層から盗掘されたもので、現在までに発見されているのは世界でこの1体だけである。ほぼ完全な状態で見つかったこの1体の化石骨格がアメリカのオークションで民間化石収集家のヘンリー・クリーグステインに競り落とされ、シカゴ大学の古生物学者ポール・セレノによってティラノサウルス類の新属新種の恐竜化石であることが突き止められた。
ラプトレックス・クリエグステイニ(学名:Raptorex kriegsteini)は、約1億2500万年前(中生代白亜紀前期)の中国北東部周辺に生息していたと考えられる小型の肉食恐竜。T・レックスに似た特徴を多く持つことからその祖先と考えられ、「ミニT・レックス」「ミニ・ティラノサウルス」と呼ばれている。
化石研究から判明した体格は、体長およそ3メートル、体重はおよそ70キログラム。体に対して頭部が大きく、鋭い歯と発達した後脚、短い前脚などT・レックスがもつ主要な特徴のほとんどを兼ね備えている。
すべての肉食恐竜、その後二次的に卵食や草食になった小型恐竜、鳥類は獣脚類に含まれ、2億3000万年前三畳紀後期にはじめて出現し6500万年前白亜紀末まで生息した。
獣脚類は大部分が肉食恐竜であり、一般に縁にギザギザのある(鋸歯)のあるナイフのような鋭い歯をもつ。手にはカーブした鋭い鉤爪があり、細身で長い後脚で二足歩行をして、俊足である。
T-Rexより大きな体重は最大8トンを超えたといわれるギガノトサウルスのような巨大な二足歩行の恐竜が、草食恐竜を効果的に狩ることができただろうか、むしろ腐肉食だったのでは。
現生の肉食動物も必ずしも狩により生肉ばかり食べているわけでなく必要とあれば死肉も食べるそうであり、草食獣を狩る際には頑強そうな成獣襲うことはまずなく幼獣や老獣またケガをしたりして群れから離れた個体を襲うそうである。恐竜の場合も同様であったろう。
短い前あしの使い方。
恐竜博 2011
参考:
ウィキペディア
恐竜たちの地球 (富田幸光著 岩波新書)